個人事業主が自分一人で「記帳」できる自信がつく4つのポイント。

先日、2回目の記帳指導のため、税理士さんが自宅に来られた。今回は、前回の記帳指導で教えていただいたことを元に、私が記帳したものを税理士さんにチェックしてもらい、記帳する上でのコツを教えていただいた。

2回の記帳指導を受けて、今後自分一人で記帳していく自信が少しついてきたので、来年の青色申告に向けて「記帳」についてまとめてみた。

「事業主借」と「事業主貸」を使おう!

この「事業主借」「事業主貸」を使えば、「記帳ってよく分からなくって難しい」度が一気に下がる。なぜなら、家計用と事業用でお金(財布・通帳・クレジットカードなど)を分ける必要がなくなるからだ。

例えば、私のようにフリーランスで主婦で、自分の財布のお金から、今日の晩ご飯の材料も買うし、仕事に使う書籍も買うような人。夫のクレジットカードで、自分の服とか靴も買っちゃうし、仕事用のパソコンも買っちゃうような人。

「家計用と事業用でお金を明確に分けるなんて難しいよ〜」と悩んでいるフリーランスの方におすすめだ。もちろん、「私は家計用と事業用できっちり分けたいのです!」という方には、しっかり分けて記帳する方法もあるようだ。

記帳の仕方については、前回の記帳指導の記事を参照してほしい。

「勘定科目」は間違ってもいい!

「勘定科目」とは収益や費用(経費)などを分類する項目のこと。

記帳をしていて「これってどの勘定科目に入るのかな?」と迷うことはないだろうか?「間違ってたら、青色申告しても突っ返されちゃうんじゃ…」と心配しながら記帳していないだろうか?(私もでした)ご安心を。

どうやら勘定科目にそこまで神経質にならなくても良いようだ。もし、税務署から勘定科目のことで指摘を受けたとしても、「すみません。後でこっちの勘定科目に修正しておきます」で大丈夫らしい。

要は、税務署は申告する金額(つまり、支払う税金)さえ正しければ、勘定科目なんて実はどうでもいいらしい・・・

ちなみにこちらの書籍を参考にさせていただいた。

フリーランスの著者と税理士センセイの“目からウロコ”のぶっちゃけ税金講座が対話形式で繰り広げられている。所々に4コマ漫画もあって、超初心者の私でもサクサク読み進めることができた。フリーランスでこれから自力で記帳・青色申告しようと考えている方が一番最初に読む本として、オススメの1冊だ。

私は、この本を読んで「なーんだ。勘定科目は多少間違ってても大丈夫なんだ」とかなり気持ちが楽になった。

税理士さんも、「まあ、収入の金額さえ正しく申告していれば、大丈夫ですよ。なんとかなります(笑)」と来年度から一人で記帳する私を笑顔で励ましてくださった。

仕訳入力に使う帳簿は「振替伝票」だけ!

私は、「やよいの青色申告」という会計ソフトを使用している。(現在は、クラウド会計ソフト「マネーフォワードクラウド確定申告」に移行しました)

その中には、仕訳を入力するための帳簿が何やら8種類も出てくる。初めてこの画面を見た時、「この帳簿の数々を仕訳に応じて使い分けないといけないのかぁ…はぁ↓」と、かなり気が重くなった。

ところがところが、税理士さんのひと言がそんな私を救ってくれた。

全部”振替伝票”に入力して大丈夫です。他の帳簿は使わなくていいです」・・・なんですと!

税理士さんによると、振替伝票はどんな仕訳でも入力できるので、私の場合、ひたすら振替伝票に仕訳を入力していけばいいらしい。

という訳で、「やよいの青色申告」にはたくさんの帳簿が準備されているが、私が使用しているのは「振替伝票」と、入力した仕訳を確認するための「仕訳日記帳」だけ。あとは、初心者向けの”簡単取引入力”を、勘定科目を参考にする時に少し使うくらい。

y1

個人事業主におすすめの会計ソフト

「補助科目」を使おう!

「補助科目」は勘定科目の内訳となる項目で、自分で好きに作成することができる。

例えば、私は仕事上の収入は(相手先や仕事内容に関係なく)全て勘定科目「売上高」で記帳している。しかし、このままでは後から見直した時に、”どの仕事に対する収入なのか”が分からなくなる。

そこで、仕訳を入力する前に、勘定科目「売上高」に仕事の相手先(あるいは仕事内容)別に「補助科目」を設定しておく。

やよいの青色申告「メニューバー」→「設定(S)」→「科目設定(K)」→ 勘定科目を選択 → 右クリック →「補助科目の作成(J)…」で新規登録できる。

hojo

そして、仕事先別に「補助科目」を分けて記帳入する。

hojo2

「勘定科目」を選択すると、登録した「補助科目」一覧が表示されるので、その中から選択する。

先に「補助科目」から選択することもできる。その場合、選択した「補助科目」に応じて、該当の「勘定科目」が自動的に表示される。←おすすめ!

そうすることで、「仕訳日記帳」の絞り込み機能を使って、仕事先別に集計をかけることができるようになる。見直しもしやすい!

hojo3

「補助科目」は、自由に好きなだけ設定できるが、多くなり過ぎても管理しにくくなるので、ほどほどに。もちろん、必ず設定しなければいけないものではないので、不要な場合は設定しなくても大丈夫。

あとは、決算処理と申告を残すのみ。

以上、日々の記帳について私なりにまとめてみたが、そこまで難しく考えなくても一人でなんとかなりそうな気が・・・しませんか?

恐らく、私が家計用と事業用でお金を分けずに記帳をしている、在庫を抱えるような仕事じゃない(仕入れや棚卸しがない)、ツケ(買掛・売掛)で取引しない、ことが記帳の難易度を下げてるんじゃないかなーと思う。

次は、12月に決算処理が待っているが、今回少しだけ税理士さんに聞いたところ、「決算準備の『固定資産管理』と『家事按分』に必要なデータを登録すれば、仕訳はクリック一つでソフトがしてくれるから難しくないですよ」とのこと。

kessan

税理士さんの記帳指導は、残り2回。決算処理と青色申告も一人でできる自信をつけて、全4回の記帳指導を終わりたい。

※今回の記事の内容は、あくまで私(OrangeOlive)の事業規模・事業内容などを元に税理士さんにご指導いただいたものです。

5 件のコメント

  • たいへん読みやすく、わかりやすい記事をありがとうございます。やはりフリーランスですが、簿記がさっぱりで、これまでは白色でした。それでも65万円の控除はやはり大きいです。本年分から青色に変えようかと思い、「だいじょぶなのかあ〜?」といろいろなサイトを行き来していたところでした。

    一番困っていたのは、青色申告にはいく種類も帳簿があるので、正直「やっぱり私には無理か」と思っていましたが、やよいのソフトなら、入力は基本「振替伝票」だけでいいのですね! 目からウロコです。

    ツケ(買掛・売掛)で取引はされないとのことなのですが、売上はサービスしたその日中に銀行に振り込んでもらったり、現金で受け取る形なのでしょうか。あるいは、お客さんにサービスを提供して後日入金があった場合でも、入金のあった日を売上日として入力されているのでしょうか。そのあたり、どうされているか、お差支えなければご教示いただけますでしょうか。宜しくお願いいたします。

    • 記事を読んでいただいてありがとうございます。少しでもお役に立てたなら光栄です。ご質問について、私が税理士さんに教えてもらった範囲で回答させていただきますが、専門家ではありませんので、あくまで参考程度にご覧ください(^_^;)。

      「やよいの青色申告」にも帳簿は色々ありますが、税理士さんから「振替伝票にどんどん記帳していけばいいですよ」と教えていただいたので、(他にもやり方はあるのかもしれませんが)私はそうしています。

      「売上」の仕訳についてですが・・・私の場合、例えば12月にお仕事した分の支払いが、翌月の1月に銀行に振り込まれる場合、売上の仕訳は12月末日付けで入力しています。入金のあった日を売上日として計上してしまうと、年度をまたいでしまう場合があり、そうなると仕訳が少し複雑?になるようでしたので、「これは何月にお仕事した分のお金なのか」で判断して入力するようにしています。ちなみに日付は、自分が分かりやすいように末日に統一しています(何日でもいいそうです)。

      • ていねいなご回答ありがとうございました。参考にさせていただきます。きょう、税務署で青色申告の届出申請用紙をもらってきました。やよいのサイトで調べたら、あちこちで店頭デモをやっているようなので、近々実際に実物を見てきたいと思います。

  • 私は初めて青色申告しようと開業届を出し、いざ会計ソフトに入力しようとして。。。
    意味不明・・・でネットで色々調べていたらこちらにたどり着きました!
    とても参考になりました!

    12月の決算処理あたりの記事は更新される予定はありますか?
    決算準備の『固定資産管理』と『家事按分』についても気になります

    • 記事を読んでいただきありがとうございます。少しでもお役に立つことができたなら嬉しいです。
      決算処理(決算準備含む)の記事ですが、今度の決算時期までには書きたいなーと考えていました。あくまで、私の事業規模・事業内容などを元に税理士さんにご指導いただいたことをまとめた記事になりますが、近々更新したいと思います。