フリーランス2年目のharumina(@OrangeOlive_hm)です。
今年の3月に人生初の「確定申告(青色申告)」をしました。簿記の知識皆無の私が”青色申告”することができたのは、税理士さんの無料記帳指導のおかげです。先生、ありがとうございました。
さて今回は、昨年受けた記帳指導(3回目)を元に、決算準備として重要な「固定資産管理」と「家事按分」についてまとめてみました。
前回までの記事はこちら
税理士さんの記帳指導!個人事業主は勘定科目「事業主借」「事業主貸」を使おう! | メモラビ
個人事業主が自分一人で「記帳」できる自信がつく4つのポイント。 | メモラビ
「決算」とは?
簡単にまとめると、「一定期間の収入・支出(費用)を算定して、損益赤字なのか?黒字なのか?)を明らかにすること」です。
私の場合の一定期間は、1月〜12月の1年間です。決算日は、12月31日になります。
これは、私が入力した仕訳を確認するために使っている「仕訳日記帳」の画像です。
1〜12の数字は「月」を表しています。「振替伝票」にどんどん入力していった日々の仕訳を月単位で確認することができます。仕訳例は以下の通り。※12月分の家賃(1ヶ月分)を12月31日に仕訳入力
仕訳①
で、最後の「決」が決算を表しています。仕訳例は以下の通り。
仕訳②
日付は、決算日の12月31日になっています。また、決算仕訳であることが分かるように仕訳に「決算」と書かれています。
ちなみに、12月31日の収支を入力した仕訳と12月31日の決算仕訳は、全く意味が異なるので注意が必要です。
決算仕訳は、1年間を締めくくるための特別な処理として、1年分(の金額)をまとめて仕訳しています。
上記2つの仕訳例で説明すると、同じ「地代家賃」に関する仕訳でも、仕訳①は「地代家賃」1ヶ月分の仕訳、仕訳②は「地代家賃」1年分の仕訳(家事按分)ということです。
「決算」のために準備すること
まずは、日々の仕訳(収支)をきちんと入力しておくこと。大変ですが、これだけはしておかなければいけません。
次に、必要に応じて事前に「固定資産管理」と「家事按分」の2つに情報を登録しておきます。
先ほど、決算仕訳の例を少し紹介しましたが、この仕訳は自分で入力する必要はありません(一部例外あり)。なぜなら、事前に必要な情報を登録しておけば、決算仕訳は会計ソフトがクリックひとつで書き出してくれるからです。
なので、「固定資産管理」と「家事按分」に必要な情報を登録し、1年分の仕訳を全て入力し終えた後、それぞれの仕訳を書き出せば、決算準備完了なんです。
決算準備「固定資産管理」
私の場合の「固定資産」は、パソコンです。
税理士さんから、私が事業用にパソコンを購入した場合は、通常以下のように会計処理を行ってくださいと言われました。
- 10万円未満:購入した年に全額経費(消耗品費)として計上
- 10〜20万円未満:「一括償却資産」として3年で均等償却
- 20万円以上:「固定資産(工具器具備品)」として耐用年数4年で償却。
また、特例として、購入金額が30万円未満であれば、購入した年に全額経費とすることもできるようです(ただし、一定の条件あり)。
No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|法人税|国税庁
税理士さんによると、「この特例は20〜30万円未満のパソコンを購入した時に、経営状況に応じて選択するかどうか検討してみてください」とのことでした。
私は、開業時に20〜30万円未満のパソコンを購入しましたが、特例は使わずに、固定資産として4年で償却することにしました。
ここで、『4月1日に20万円のパソコンを購入。固定資産(工具器具備品)として耐用年数4年で償却』する時の入力例を紹介します。
- 「振替伝票」に、勘定科目「工具器具備品」で仕訳を入力します。
- 決算・申告「決算準備」メニューより「固定資産管理」を選択し、「固定資産一覧」画面より「新規作成」を選択します。
- 必要な情報を登録します。
- 「仕訳書出」をクリックします。
- 「仕訳日記帳」の決算仕訳に「償却」の仕訳が追加されていることを確認します。
以上です。自分で金額を計算する必要もなく、仕訳も会計ソフトがしてくれるので、とっても簡単ですね。
決算準備「家事按分」
私は、自宅の一部屋を仕事場として使っています。その場合、仕事用と家計用が混在している家賃や光熱費などの家事関連費を事業で使っている割合分に限り、必要経費として計上することができます。
この「事業割合」と「家事割合」を決めることを「家事按分」というわけです。
税理士さんによると、「税務署につっこまれても説明できるのであれば、ある程度経費として計上しても大丈夫ですよ」と言われました。むむむ、悩むところですね。
ちなみに私の場合、「家賃」の事業割合は、仕事場として使っている部屋の広さ(部屋全体の何%か)で決めました。
では、『家賃10万円。事業割合25%、家事割合75%として家事按分』する時の入力例を紹介します。
- 「振替伝票」に毎月家賃全額の仕訳を入力します。
- 決算・申告「決算準備」メニューより「家事按分」を選択し、「家事按分振替」画面より、勘定科目「地代家賃」を選択します。(「補助科目」は設定している場合のみ選択可能)
「事業割合」「家事割合」をそれぞれ入力します。「金額」と「家事振替額」は、入力している仕訳から会計ソフトが自動計算してくれます。
- 「仕訳書出」をクリックします。
- 「仕訳日記帳」の決算仕訳に「按分」の仕訳が追加されていることを確認します。
毎月全額家賃を経費として一時的に計上しておいて、決算日に経費から「家事割合」分を1年分まとめて除外して、「事業割合」分だけが計上されるようにしているのです。
さいごに
税理士さんの記帳指導を3回受けた段階で、記帳〜決算準備まで理解することができました。(私の業務の範囲内で…ですが)
次はいよいよ決算(決算書の作成)〜青色申告です。
税理士さんからは、「そんな構えなくてもいいですよ。きちんと記帳さえできてたら、青色申告に必要な書類は会計ソフトが全部作ってくれますから(笑)」と言われました。
「ホントですかーーー!!」と思いましたが、90%本当でした。残り10%は、最終的に提出できる状態にするのに細かい手直しが必要だった分です。やはり、会計ソフトが作成したものをそのまま提出!という訳にはいきませんでした。
次回は、「税理士さんの無料記帳指導を受けて」最終回!税理士さんと一緒に「青色申告」に必要な書類を作成して提出するまでを記事にまとめたいと思います。
※今回の記事の内容は、あくまで私(OrangeOlive)の事業規模・事業内容などを元に税理士さんにご指導いただいたものです。